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頭の形外来
Crania Deformity Blog

赤ちゃんの頭の形と「頭蓋縫合早期癒合症」——見極めが重要な理由

赤ちゃんのあたまのかたちクリニック院長の高松です。
今回のテーマは赤ちゃんの頭の形と「頭蓋縫合早期癒合症」についてです。

赤ちゃんの頭の形が気になり、医療機関を受診されるご家族は少なくありません。

その多くは、向き癖など外からの圧力によって生じた変形であり、命や脳の機能に直接かかわる病気ではありません。

一方で、ごく一部に「頭蓋縫合早期癒合症(craniosynostosis)」という見逃してはいけない疾患が原因で、形が変わっていくことがあります。この鑑別について一部では「簡単」と表現されることもありますが、経験を重ねるほど慎重な判断が必要だと感じる症例に出会うのが現実です。

頭蓋縫合早期癒合症とはなにか?

 赤ちゃんの脳は、生後すぐから急速に成長します。

脳の大きさを測る数値である頭囲は、生後1か月で約3〜4cm、次の1か月でさらに2〜3cm程度増加するとされ、生後6か月には出生時の2倍のサイズになり、2歳ごろには大人の大きさの90%に達します。この急速な脳の成長に対応するため、赤ちゃんの頭蓋骨は特殊な構造をしています。

よく知られている「大泉門」は、赤ちゃんの頭の頭頂部より少し前の方で複数の骨が交わる部位にあたり、成長の余地を視覚的にも確認できる場所です。頭蓋縫合は、頭の成長が完了すると役目を終え、次第に骨と一体化していきます。頭蓋縫合早期癒合症とは、本来は成長に必要な時期に開いているべき頭蓋縫合の一部または全部が、早期に閉鎖してしまう疾患です。よく「何歳まで開いていれば大丈夫ですか」と数字を聞かれることが多いのですが、個人差があり、正常頭蓋であってもはっきり痕跡がある大人もいるという事実があることも理解が難しいとされる所以です。

症候群性と非症候性

頭蓋縫合早期癒合症には、

・眼や顔面、四肢の先天異常などを伴う症候群性

・特定の縫合線のみが閉鎖する非症候性(単純性)

があります。

症候群性の場合は遺伝子異常が関与し、出生前から指摘されることもあります。

一方、非症候性では原因は明らかになっておらず、出生後に頭の形の変化から気づかれることが多いとされています。

頭蓋縫合早期癒合症を見逃した場合のリスク

 頭蓋縫合が早期に閉鎖すると、赤ちゃんの頭蓋内の容積が十分に確保できず、以下のような問題が生じる可能性があります。

★機能的な影響

頭蓋内圧亢進とそれに伴う症状(頭痛、嘔吐、精神運動発達への影響など)

★形態的な影響

頭蓋骨変形の進行
手術を行っても修正が困難なレベルまで変形が進む可能性

頭蓋縫合早期癒合症によるこれらの問題はヘルメット治療では改善しません

発症時期が早いほど、また閉鎖する縫合線の数や範囲が広いほど、影響が大きくなると考えられています。ただし、発症頻度が低いため、すべてが明確に解明されているわけではありません。頻度は約3,000〜20,000人に1人と報告されています(報告頻度には、診断基準や症候群性・非症候性の含め方による差があるとされています)。

多くの場合、最初に異変に気づくのは保護者の方です。

 乳児健診で相談されることもありますが、乳児健診は限られた時間の中で全身の健康状態を判断することが求められるため、確定診断されることはまず望めないでしょう。

赤ちゃんの頭の形と縫合線の関係

 赤ちゃんの頭蓋の変形は、早期癒合が起きた縫合線の位置と密接に関係します。

例えば、

・矢状縫合が早期に閉じると、横方向に成長できず縦長の舟状頭
・冠状縫合では短頭症
・片側の縫合では斜頭症
・前頭部の縫合では三角頭
・複数縫合では尖状頭

など、特徴的な頭の形を示します。

きちんと鑑別がついていない場合の斜頭症や短頭症、舟状頭蓋(長頭)に起きた機能上の症状が、ネットで混同されて、あたかもむきぐせによる変形性斜頭の症状であるかのようなフェイク情報がありますので注意してください。

鑑別には画像検査が有効だが、全例に行うものではない

 赤ちゃんの頭の形が気になるというご相談は非常に多く、生後1か月時点で、約40%の赤ちゃんに何らかの頭の歪みがあるという報告があります。一方で、頭蓋縫合早期癒合症は稀な疾患であり、小児科医師でさえ実際に診察した経験がほとんどない先生も少なくありません。

 この状況で「念のため検査をしておく」という判断が常に適切かどうか、検査の種類や結果の解釈を誰が行うのか、という点は慎重に考える必要があります。

 頭蓋縫合早期癒合症の診断には、

・超音波検査(US)
・単純X線(XP)
・CT検査

などが有用とされています。

なお、3D表面計測はヘルメット作成のための採型を目的とした機器であり、その目的においては十分な精度で運用されています。疾病の診断目的では承認されていません。ヘルスケア機器として自己判断レベルの健康情報を記録・管理するものだとご理解、ご注意ください。

さてそれぞれの検査方法には、特徴があります。

超音波検査

赤ちゃんにとって検査を行うことによる危険性がまったく無い安全な検査方法です。そのためアメリカ小児脳神経外科学会のガイドラインでも、スクリーニング(最初に行うおおざっぱな検査)として推奨されています。ただし、評価できるのはごく狭い範囲だけで、全体像の把握や確定診断には不十分な場合があります。そのため見落としや誤診の可能性もあり、これだけで万全な方法とは言えません。髪の毛が多いお子さんであれば、頭が検査ゼリーでべたべたになり、かつ結果の画像が粗くなりやすいことをあらかじめ了承していただく必要があります。しかし、ちょっとした心配ごとを繰り返し確認できる点は大きな利点です。

単純レントゲン検査

頭蓋縫合早期癒合症によって生じた骨の変化を一時兆候として確認でき、形成外科学会診療ガイドライン2021でも推奨されています。さらに指圧痕の有無や、眼窩や顎など全体像を把握できる簡便なスクリーニング検査として有用ですが、一部において精度を疑問視する報告も散見されています。このような限界はあるものの、目視できない頭部の一定の情報が得られるメリットは大きく、ヘルメット療法を検討する場合には、受けておく意義がある検査と考えられます。

CT検査

確定診断する目的では最も精度が高い検査方法です。とくに、ラムダ縫合早期癒合症という、片側の後頭部が扁平になるタイプの場合には、向き癖によってできた扁平との区別に有用です。なぜなら病気と向き癖が併存していることもあり、問診だけでは病気が原因でその位置に向き癖ができるという場合を否定できないからです。同時に、脳や、頭蓋底など広い範囲の状況が明らかになり、治療方針を立てるという意味では最も多くの情報が得られる検査ということになります。

しかし、CT検査では放射線を使用するため被ばくの心配があり、乳幼児では検査のために鎮静を行う必要が生じることがあります。また、小児では放射線感受性が高いので、悪性腫瘍のリスクが上昇することが指摘されています。

「赤ちゃんに不要な被ばくをさせたくない」という保護者の考えは、医療者として尊重されるべきものです。

そのため、頭の形が気になる赤ちゃん全員に、漏れなくCT検査を行うことは現実的でも適切でもありません。診断だけのためでいえば、CTは必須ではなく、ただし手術を行う上ではやはり必要な情報を与えてくれる無二の存在です。現在は低被ばくCTなどの工夫も進んでいます。

重要なのは「検査をするかどうか」を判断できる専門性

現実的かつ安全な対応として重要なのは、

・頭蓋縫合早期癒合症の臨床像を十分に理解していること
・視診・触診・成長経過から「疑うべき所見」を見極められること
・必要な場合にのみ、適切な検査へつなぐことができることです。

この判断には、経験の浅い段階では難しく、継続的な症例経験が不可欠です。

鑑別経験のある医師・医療機関を選ぶという考え方

「検査が多い=安心」「CTを撮らないと診断できない」とは限りません。

不要な検査は避け、必要な検査はためらわない。

 このバランスを取るためには、日常的に鑑別を行っている医療機関を受診することが合理的です。

この数年、医師同士の勉強会や症例検討の場では、身近な医療現場で誤診や診断遅延が生じた頭蓋縫合早期癒合症の症例について、情報共有が行われています。多くは決して稀な経過ではなく、「よくある頭の形の相談」として経過をみられていたケースです。逆に「経過観察」をすすめられた保護者の自己判断で受診を中断され、疾病が進行してしまったというケースもあります。

当院自身の診療においても、地域の小児病院との連携を活用し、慎重な評価のもとで早期に専門施設につなぐことができた症例が数例あります。

 これらの経験は、診断を一人で抱え込まず、鑑別を前提とした連携体制を持つことの重要性を改めて認識させるものでした。

当院で大切にしている視点

当院では、変形性斜頭と頭蓋縫合早期癒合症の鑑別を常に意識しながら診療を行っています。

院長は、クラニオシノストーシスに関連する学会(クラニオシノストーシス学会、脳神経外科学会、形成外科学会など)での講演や症例報告を継続しており、「疑うべき症例を見逃さないこと」と「不要な検査を行わないこと」の両立を重視しています。

また、私が赤ちゃんの頭の形の外来を始めた15年前から、頭の形だけでなく、姿勢発達、体の動き、斜頸など全身の評価と介入の重要性を診療に取り入れてきました。

受診を迷っている方へ

赤ちゃんの頭の形について、

「様子を見てよいのか」

「どこまで検査が必要なのか」

「ヘルメット治療が必要なのか」

「家でできることはあるか」

と迷われるのは自然なことです。

ご両親として重要なのは、ネットで調べた情報や判断を一人で抱え込まず、鑑別経験のある医療機関で評価を受けることです。

当院では、過度に不安を強めることも、逆に重要なサインかもしれない訴えを軽視することもありません。ご両親からどのように見えているか、どこが心配なのか、を忌憚なくお話しください。現時点で必要な評価と、不要な検査を明確に分けてご説明します。

※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断を行うものではありません。実際の診断や検査の要否については、必ず医師の診察を受けてください。 

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