もう書きたくないのですが、想像以上に酷暑ですね。クリニック、自宅共にしょっちゅう救急車のサイレンが鳴り響いています。

しかし暑い、寒いにかかわらず、かわいい赤ちゃんの発達は気になりますよね。

頭の形が悪かったりむきぐせが強かったりすると発達が遅くなり、いろんな障がいが起きる、という情報を聞くと本当にびっくりしてしまうと思います。

厳密にいえば、頭の形や強いむきぐせが将来的に“発達の遅れ“につながるといよりは、寝返り、うつぶせ、ズリバイ、つかまり立ち、伝い歩き、目で動きを追う、音に反応するなどの神経運動が同じくらいの月齢のお子さんに比べて遅いなと感じる子が多いということ。これはクリニックでたくさんの赤ちゃんをみていて感じることです。もちろん頭の形やむきぐせをなおさないと、どんどん発達が遅れていって取り返しがつかなくなるというわけではなく、むしろ多くのお子さんは2歳くらいまでに他の子に発達が追いついていくと考えています。

ただ、ある年齢になっても一向に発達が進まないままに、そのうちと先延ばしにしていると、あまり好ましくない動きが出てしまいます。反り返ってしまって抱っこしにくい、足の力だけ強くて頭を床に押し付けて移動してしまう、片方にだけしか寝返りしないなど発達のつまずきを感じたら、赤ちゃんのうちにその発達を促す取り組みをしっかり行っておくべきだと思います。

取り組みは、こじらせてしまなわないうちに早期に行った方がよく、概ね生後２～３か月くらいから始めると、頭の変形の重症化を予防できることが海外からも複数報告されています＊。

現在毎週火曜日の朝に理学療法士さんを招いて発達ミニセミナーを実施していますが、医師の私が聞いていてもなるほど、と思う情報や、ご家庭での赤ちゃんへの接し方、タミータイムなどについてもしっかり学ぶことができます。むきぐせ、うつぶせ、寝返りを週替わりで講義＆実践形式で行っています。

参加されたママやパパからも「受けてよかった」、「家での接し方がよくわかった。」とご好評をいただいているようです。「YOUTUBEや教本などで見よう見まねでやってみたがうまくいかない。」、「初診で先生やスタッフさんがクリニックで見せてくれるようには赤ちゃんが反応してくれない。」こんなお悩みを抱かれてご来院される赤ちゃんとママ（パパ）に適切なアドバイスと今後の取り組みについてもセミナー形式で行っていますので、気になる方は一度ご参加されてはいかがでしょうか。

＊参考論文

van Vlimmerenら.　Effect of pediatric physical therapy on deformational plagiocephaly in children with positional preference: a randomized controlled trial. Arch Pediatr Adolesc Med. 2008 Aug;162(8):712-8.　

保護者だけで自然経過をみるのに比べて、専門家の介入があると重症化予防効果が20倍高いという結果がでたランダム化比較試験です。