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赤ちゃんの「寝返りがまだ」「首がすわりにくい」「動きが左右で違う気がする」、そういった小さな“気になる”を抱えて、相談に来られる保護者の方は少なくありません。
赤ちゃんの成長にはとても幅広い個性があります。少しずつゆっくり育っていく子、ある時期から急にできることが増える子――それぞれのペースがあり、一概に「遅い・早い」で判断できるものではありません。
でも、もし「何か違和感がある」「ほかの子と比べて少し気になる」という思いがあるなら、それは赤ちゃんの“今”に合わせた適切な支援を考えるチャンスでもあります。
理学療法士(PT)は、赤ちゃんの「からだの使い方」や「姿勢の発達」「筋肉の緊張具合」などを細やかに見ながら、その子に合った遊びや関わり方を一緒に考える医療の専門職です。
「この月齢では○○ができるはず」ではなく、今の赤ちゃんの状態を大切にしながら、次のステップにつなげるために何ができるかを探していきます。たとえば、研究では、生後6か月未満の赤ちゃんに対する早めのアプローチが、からだの動きやバランス感覚の発達に良い影響を与える可能性があると示されています(ADVANCED THERAPY CLINIC 2025)。また、動きだけでなく、遊びを通した関わりが、赤ちゃんの考える力や感じる力を育むことも分かってきています(Loboら, 2016)。
理学療法士(PT)といっても、全員が赤ちゃんへのアプローチに熟練しているわけではありません。赤ちゃんや乳幼児の発達を支援するためには、小児神経発達や感覚統合に関する専門的な知識と経験が必要です。赤ちゃんは言葉で不調を伝えることができず、筋緊張や姿勢、反射、感覚の出方などを細かく観察しながら対応する必要があります。
そのため、**小児分野に特化した理学療法士(小児PT)**や、赤ちゃんの発達支援に精通したチームと連携している施設を選ぶことが、より安全で効果的な支援につながります。
赤ちゃんの頭の形が気になるとき、たとえば「右向きが多くて片側だけ平ら」「頭の形が左右で違う」などの場合、頭蓋矯正ヘルメットを使った治療を行うことがあります。
このようなお子さんでは治療前の発達指数(姿勢、協調性、社交性、言語)において、全体的な発達領域の遅延があることをいくつもの研究が明らかにしています。私が以前成育医療研究センターで行った調査でも姿勢発達の遅れの傾向が見られました。 これらの関連性にはどちらがどちらの原因なのか相互作用なのか、その背景に中枢神経系の機能障害があるのか、はっきりとわかっておらず、追跡調査が現在進行形で行われています•(Collett BRら2019)。
このとき、ヘルメット治療と理学療法の併用が重要な役割を果たすことが、近年の研究でも示されています(González-Santos,J.ら2020)。実際に、欧州の一部の国ではこの体制が標準化されつつあります。
たとえば、ドイツやオランダでは、頭蓋変形の評価や治療の際に理学療法士による定期的な評価や運動支援がセットで提供されることが一般的です。これは、頭の形の矯正だけでなく、赤ちゃんの姿勢や動きのクセを整えることが再発防止や全体的な発達支援に直結するためです。
重度の変形の改善目的にヘルメット治療が最も効果があることは論を待たないのですが、中等症までの変形であれば生後1か月から開始する週1回の理学療法で6か月になる前に頭の形の改善も得られる可能性もあります(van Vlimmeren LAら 2008)
van Cruchtenらの研究(2022年)でも、ヘルメット療法単独よりも、理学療法を併用した方が頭蓋の非対称性がより効果的に改善されたという結果が報告されています。また、フィンランドではヘルメット治療そのものは一般的ではなく、オーストラリアでは理学療法を第一選択として提供する体制がとられている (理学療法を数か月受けなければヘルメット治療を申し込めない)例もあります(RoyalChildrenHospitalMelbourne)。このように、赤ちゃんの「頭のかたち」だけでなく「体全体の発達」を見るという視点は、国際的にも重要視されているのです。
近年では、整体師・柔道整復師・マッサージ師など徒手療法に携わる方々の中にも、赤ちゃんの発達や神経・筋の働きについて積極的に学ばれている方が増えています。リラクゼーションや緊張の緩和、育児サポートの一環として、そうしたアプローチが役立つ場面もあります。
ただし、赤ちゃんの動きや姿勢の「ちょっと気になる」が、医学的に注意が必要なサインである可能性もあるため、まずは小児科医や理学療法士といった医療職の視点で評価を受けておくことが安心につながります。
理学療法士は、医師と連携しながら赤ちゃんの状態を見守り、安全性やリスク管理に配慮した介入を行うことができます。必要に応じて他の専門職との連携を取ることも可能です。
「○○ができないから心配」ということではありません。
「○○がちょっと気になる、だからこそ、できることがある」――それが、今の医療や支援の考え方です。赤ちゃんは、どの子もその子なりのペースで育っています。もし気になることがあったら、安心して相談できる場があることを思い出してもらえたら嬉しいです。
そして、その子の今の姿に寄り添いながら、「その子らしい発達」を一緒に応援していけたらと思っています。
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火曜日は理学療法士による発達支援を含む初診ですので、費用がことなります。詳細は治療費のページをご覧ください。