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前回のブログでは、「治療しないと何が起きるのか?」について、医学的な根拠に基づいて整理しました。
今回はその続きとして、「では、ヘルメット治療を受けることで、将来の不安は解消できるのか?」という点について、現時点での医学的根拠を踏まえて解説します。
まず確認しておきたいのは、ヘルメット治療が目指す目的です。
ヘルメット治療は、頭の形状(骨格的な非対称)を整えるための治療であり、整容的な改善を主な目的としています。
それ以外の機能的な問題(発達、視力、聴力、咬合、歩行など)の予防や改善は、主目的とはされていません。
以下に、不安要素ごとにヘルメット治療による効果と、科学的根拠の評価をまとめました。
◎:効果が高い/ △:一定の効果の可能性あり/ ✖:効果は確認されていない
不安要素 | ヘルメット治療による効果 | 科学的根拠の評価 | 備考 |
脳の発達・発達障害 | 治療によって脳機能が改善するという根拠はなし | ✖ | 変形性斜頭は脳の器質的問題ではない |
斜視 | 眼位の改善効果は確認されていない | ✖ | 眼科的問題があれば専門医へ |
噛み合わせ | 重度の顎偏位がある場合、骨格のバランスは改善されうる | △ | 咬合は多因子で決まり、効果は限定的 |
耳の位置の左右差 | 一部改善が期待できる(頭蓋底の対称化は未証明) | △ | 眼鏡やマスクのフィットに影響する例あり |
中耳炎 | 予防効果なし | ✖ | 耳管機能に関与せず |
顎変形症 | 対称的な骨成長を促す可能性あり | △ | 将来的な矯正が不要になるとは限らない |
顎関節症 | 明確な関連はなく予防効果も証明されていない | ✖ | 多因子性疾患でありデータは乏しい |
側弯症 | 予防効果は証明されていない | ✖ | 頭蓋と脊柱は発生的に別構造 |
歩容・バランス | 姿勢の左右差改善に寄与する可能性あり(理学療法と併用時) | △ | 単独では効果不明。PT介入が重要 |
外見・整容面 | 最も効果が高く、左右差を改善できる | ◎ | 主観的満足度も高く、主な治療目的のひとつ |
【補足説明】
ここでお伝えしている内容は、一般的な変形性斜頭のケースに基づいたものです。
まれに、頭の非対称が非常に強かったり、他の病気や発達の問題を同時に抱えている赤ちゃんもいますが、そのような特別な背景があるケースは別途個別に評価する必要があります。
つまり、特定のお子さんに起きていることをそのまま他のお子さんにも当てはめて考えることはできません。
大切なのは、それぞれの赤ちゃんの状態を丁寧に見て、「本当にその子に必要なこと」を選んでいくことです。
・ヘルメット治療は、整容的・解剖学的な形状改善に非常に有効です。
・一方で、機能的な問題(発達・視力・咬合・歩行など)の予防や改善については、現時点で信頼できる医学的根拠は限定的です。
・効果の範囲と限界を冷静に整理したうえで、ご家族が納得できる判断ができるように支援することが重要です。
「このままで大丈夫なのかな?」というご不安は、ご家族にとって当然の感情です。
ただ、正確な情報をもとに冷静に判断できるようにサポートするのが、私たち医療者の役割だと考えています。
“治療しないと将来こうなる”という一方的な説明ではなく、今のお子さんの状態と将来への見通しを、医学的に丁寧にお伝えし、
家族にとって納得できる選択を支援したい。それが、私たちの願いです。
※本記事の内容について
・本記事は、院長が10年以上にわたり、自院および他の医療機関で実際にヘルメット治療を行ってきた多数の臨床経験に基づき、2025年4月時点での推定と解釈を記載したものです。
・また、国内外の多数の学術論文を精査し、現在入手可能なエビデンスに基づいて客観的に検証した結果を反映しています。
医学は日々進歩しており、今後新たな知見が得られる可能性もあります。ご不明な点がありましたら、ぜひご相談ください。
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