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前回のブログでインソール外来の説明で、ちょっと気になる海外の追跡調査結果を紹介したので不安になったご両親もいるかもしれません。そこでわかっていること、わかっていないこと(今後の研究結果を待たないといけないこと)、保護者が今自分のお子さんにできること、ひろく皆にしってほしいこと、など、6回シリーズでじっくり解説します。
パート1 海外の長期研究から見えてきたこと
パート2 頭の形だけを見ていませんか?
パート3 「寝返りしない」「頭を持ち上げない」…それ、本当に“のんびり屋”ですか?
パート4 「かたち」と「動き」はつながっている
パート5 “ヘルメット治療”はゴールではない
パート6 赤ちゃんの発達に、もっと目を向けてください
ollett先生たちの9年間の追跡研究よりー
赤ちゃんの頭の形がゆがんでいると、将来の発達に影響があるのでは?と心配される方は少なくありません。実際、シアトルこども病院(アメリカ)の小児心理学者Collett先生たちは、変形性斜頭のある赤ちゃんの頭のゆがみとその後の成長について、なんと約180人を9歳まで長い時間をかけて調べた追跡研究を行っています。
その結果は、私たち医療者にとっても、ご家族にとっても、大切な気づきを与えてくれるものです。
1. ほとんどの子は元気に育っています1
「頭の形にゆがみがある=発達障害」ではありません。
2. 「少し苦手なこと」がある子もいます2
こうした差は、通常のIQ検査では引っかからないことが多く、「学習に少し努力が必要な子」として表れます。本人の工夫や周囲の理解で十分対応できることがほとんどです。
3. ゆがみの強さと発達の差には関係があるかもしれません 3,4
4. 生後まもなくの「動きの癖」はとても大事です5
「頭のかたち」だけでなく、「体の使い方」にも注目することが、赤ちゃんの発達を見守るうえでとても大切です。
5. 頭の形を整えるだけでは不十分なことも
Collett先生たちは、「ヘルメットで形を整えるだけではなく、動きや発達にも目を向けてほしい」と強調しています。
赤ちゃんの発達は、姿勢や運動の経験を通して育っていくため、早めに気づいてサポートしてあげることがとても大切です。
まとめ:大切なのは「見守り」と「気づき」
この長期追跡研究から分かるのは、頭の形のゆがみ=発達の問題というわけではなく、すぐには心配する必要がない、と教えてくれます。けれども、「ちょっと気になる」というサインがあれば、早めに専門家に相談してみる価値があるということです。
赤ちゃんの頭の形をきっかけに、「その子らしい発達」を一緒に支えていくこと。
それが、医療者とご家族が手を取り合ってできる、いちばんのサポートだと私たちは考えています。
当院では、運動発達を専門とする小児科医、リハビリテーション医、小児専門の理学療法士がご家族をサポートします。
参考文献
1. Wallace ER , Ola C , Leroux BG, Speltz ML , Collett BR Prediction of school-age IQ, academic achievement, and motor skills in children with positional plagiocephaly. Paediatr Child Health. 2020 Apr 17;26(3):e132-e137.
2. Collett BR, Kartin D, Wallace ER, et al. Motor Function in School-Aged Children With Positional Plagiocephaly or Brachycephaly Pediatr Phys Ther. 2020 ;32(2):107-112.
3. Ola C., Speltz ML., Collett BR. Behavioral and Social Functioning of Children With and Without Positional Plagiocephaly: Late Infancy to School Age”. Cleft Palate‑Craniofacial Journal 2022 ;59(11):1361–1370
4. Collett BR , Wallace E , Kartin D , M L Speltz Infant/toddler motor skills as predictors of cognition and language in children with and without positional skull deformation. Childs Nerv Syst. 2019 ;35(1):157-163.
5. Speltz ML, Collett BR, Stott‑Miller M, et al. Case‑control study of neurodevelopment in deformational plagiocephaly. Pediatrics. 2010;125(3):e537–e542
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