いつも院長ブログを読んでいただいてありがとうございます。

当院ではこの春から、　頭部3D写真撮影による解析（フォトグラメトリ）のみを行う、いわば「頭のかたちの人間ドック」的な外来も始めてみました。これまで多くのご家族にご利用いただき、大変ご好評をいただき終了しました。

「数値でちゃんと確認できて安心した」

「画像で残せるのが嬉しい」

「思っていたより重度だったので、きちんと向き合う気持ちになった」

こうした反響を受け、スタッフ一同とても励みになっています。そこでフォトグラメトリ外来の実施期間を延長することにいたしました。

これまでの期間で明らかになったこと；

フォトグラメトリのメリット

• フラッシュ撮影を合成するので多少赤ちゃんが動いても短時間に安全に計測できる
• 頭囲や規定計測数値が、頭を見る角度に左右されずに客観的に把握できる
• ご家族も「見てわかる」かたちで記録に残せる

無料のアプリでは不可能だったさまざまな角度から見た状態を把握することができ、治療を行うがどうかを判断する際の参考にもなります。また、自然経過観察の安心材料にも役立ちます。

フォトグラメトリのデメリット

• ３D写真撮影から合成された3Dモデルには一定の誤差が発生するため一部実際とは違う印象になることがある。
• 赤ちゃんの動きが激しい場合、同日の撮影であっても撮影するたびに計測値が異なることがある
• ３Dモデルから生成された計測値にも誤差があり、実測値と一致しないことがある
• ３D合成モデルから頭蓋縫合早期癒合症を診断する技術は確立されていないため、正常値であることをもって病気の除外診断を下すことはできない

そのため撮影結果に基づいて、後日、専門的診察が可能な初診をご予約いただく体制を整えています（優先枠・特別料金あり）

今後のフォトグラメトリ外来は、Canfild社とWillowood社の解析ソフトウェアを用いて院内で行い、処理速度が改善されます。対象になるお子さんや手順については従来と変更はありません。

詳細はスタッフまでお気軽にお問い合わせください。

最後に

赤ちゃんの頭の形に関する不安や疑問は、ご家庭だけで抱え込まずに専門の場で確認していただくことが大切です。今回の延長により、より多くのご家庭に安心をお届けできればと思います。

今後も赤ちゃんとご家族に寄り添いながら、正確でわかりやすい医療を提供してまいります。