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多くの新生児は一般的に首の筋力が弱いため、自分で右を向いたり左を向いたりすることができません。お顔を真ん中に維持することも難しく、左右どちらかに向いていることが多いものです。からだに対して頭の比率が大きいので重心が頭部と上部体幹にあります。
生後2カ月ぐらいになると、そこで赤ちゃんに呼びかけてあげたり、おもちゃの音で興味をひいてあげるとまずは目線を合わせてくれて、音の方に視線をむくようになります。筋力がついてくるにしたがって、お顔の向きも左右対称に変えることができるようになって来ます。
これが、首がすわるといわれる3ヶ月ぐらいより前(定頚前)の発達の大事な段階です。
一方、寝ている時にいつも同じ方向しかむかない赤ちゃんがいます。
そんなものなのかなあっと思っていると、生後1~2ヶ月ぐらいになった時に、もともときれいな丸い形だった後頭部が、歪んでいることを発見してびっくり。
向き癖によってできた頭の変形です。
心なしか顔や額も歪んでいるような気がしてしまいます。
どうして同じ向きしか向かないお子さんがいるのか、仰向け寝をする健康なお子さんのなかに頭の変形になってしまう子としまわない子がどうしているのか、今のところその根源的な理由についての十分な研究があるとは言えません。
原因がひとつだけ特定できているわけではありませんが、頭の変形にまでいたってしまう可能性がある、エピソードを列記してみました。
・胎内にいたときから、好きな姿勢があって、その姿勢が落ち着くのかもしれません。
・妊婦健診でいつも顔が見えなかった、とか切迫早産でお母さんが長期間安静にして胎児も一緒にじっとしていた、などの理由もあるかもしれません。
・双子の場合は、どのような姿勢で並んでいたかによって頭にも特有の形があります。
・モロー反射・バビンスキー反射・吸てつ反射など新生児特有の反射があり、中でも非対称的緊張性頚反射によるものかもしれません。
・難産で、鉗子や吸引などの器具を使わなければ命の危険にさらされることになっていたケースもあれば、早めに、もしくは低体重の状態でこの世に出て来て骨格や筋肉がまだ成熟していない状態だったりすることも。
~私見ですが、NICUで長期入院していた赤ちゃんは特にその頻度が高いようです。
・初産の男の子、出生時の頭囲が大きかった子に多い(男の子は女の子の3倍多い)というのも有名です。
さらに、いつも同じ方向にお母さんがいて同じ方向からミルク(母乳)がもらえるならば、赤ちゃんは生存のためにその方向を向くかもしれません。右向きが好きな子で、お母さんもお父さんも右利きだったら、、、抱っこされる時の姿勢はいつも同じになりやすいでしょう。
大好きなお母さんやお父さんの声が聞こえるのがいつも同じ方向からなら、、、
明るい光や、動くものがいつも同じ方向からだったら、、、
チャイルドシートやベビーカーでいつも同じ方向を向きっ放しだったら、など。
これらのうちのいくつかに思い当たることがあって、育児環境の要因が大きいかもと思ったら、環境を変えてみるだけで、反対を向くことができるようになるお子さんもいるので試してみてくださいね。
頭の形にも変化がある可能性が大きいです。
ただし、前半にあげた理由は、誰にとっても変更することができない過去のことですよね。ご家庭で頭の形を治そうという保護者の努力はあまり実を結んでいないように見受けます。
また、後半にあげた理由だとしても、育児環境の見直しの効果があるのは、概ね 「定頚(お首がすわる)前」です。
お首がすわった後も、寝るとどうしても同じ向きになってしまう場合は、すでに重度の頭の変形に進行してしまっており、別のステージに進行している可能性があります。
次のステージとは、向き癖と頭の変形の因果関係が逆転して、変形があるがゆえに体や手足の筋肉の使い方、姿勢や骨格に非対称の影響を及ぼし、放置すると、お子さんが変わった動きをする、動きや遊びを楽しめていない、ご機嫌が悪くなるなど発達のつまづきにつながり、頭の変形も自然には改善することがないリスクが高まってしまった状態です。 成育医療研究センター前副院長である金子剛先生の造語ですが「すわり癖」と呼ばれます。
なかなかむきぐせがなおらない、頭やお顔が歪んでいくように感じる、そんな場合は早いうちに詳しい医師に相談することをお勧めします。
【出典】
高松亜子ら 重症deformational Plagiocephalyにおける背景リスク因子 第61回日本形成外科学会総会・学術集会 ポスター 2018(福岡)
De Bock F, et al. Deformational plagiocephaly in normal infants: a systematic review of causes and hypotheses h A hDi Child 2017 102 535 542
Solani, B,et al. Iran J Child Neurol. 2022 Spring; 16(2): 85–92.
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