前のブログでプロモメットやミシガン式ヘルメット、リモベビーなど長期間装着可能なヘルメットについて書きましたが、これらは個人でやっているクリニックとしてはなかなか大変です。

計測や契約はスタッフさんが総出でやってくれますが、ヘルメットの修正後のゴールの予測、個々の赤ちゃんの出っ張りや凹み、左右差の改善度合い、成長の予測をしながらヘルメットの鋳型を発注する工程は院長が1人で行います。

そして完成したヘルメットの微調整や修理、通気孔の大きさ、数、位置をどうするか、計測値には表われない気になる矯正部分を細かく削る義肢装具士さん、診察をしながらヘルメットの微調整を行う先生方、すべてが職人技の仕事です。

したがって、これらのヘルメットは大量生産ができません。そんなこんなで院長は休日返上で睡眠時間を削って日々診察終了と同時にヘルメット作成に没頭しています。

手前勝手な話から始めてしまいましたが、かぶせられる赤ちゃん、そして、パパ、ママやご家族の皆様も大変です。
赤ちゃんは自分の意志で「ヘルメットしたい！」と言ったわけでもなく、急に異物をかぶせられてびっくり、「なんだよ！」「何なの？」と怒っているかもしれません。

短期集中矯正型のベビーバンド２ならまだかぶり始めもピッタリ感がありますが、それでも最初は大変です。

更に、プロモメットやミシガン式ヘルメット、リモベビーなど長期間装着可能なヘルメットは、長期間かぶり続けてもサイズアウトしないタイプのヘルメットですから、装着当初は大きくてくるくる回転しまったり、ずれたりして大変です。その間、義肢装具士さんと医師のタッグで微調整と打ち合わせを繰り返しながら、赤ちゃんとママ・パパの頑張りにおすがりすることになります。

成長の早い赤ちゃんだとその期間が短いのですが、ゆっくり成長する赤ちゃんは、最初のうちは特に目覚ましい効果が表れず、「ヘルメットしても効果ないんじゃ？」と疑心暗鬼になりがちです。

泣いてしまったり、あせもになったり、赤くなったり、気づいたらヘルメットがくるりんと回転してしまったり、そもそもかわいそうだわ、と思ってしまうでしょう。

しかし、そこが正念場、赤ちゃんの頭がやわらかく、形状誘導できる期間は今しかありません。ここを逃すと、大きく育ってしまった後は最早手術しか矯正方法はない、その心づもりでパパ、ママ、ご家族、そして当院がよってたかって赤ちゃんも頭の形をなおして行くのです。

最初のうちはこまめに来院いただき微調整をしていただくのがベストですが、遠方にお住まいだったり、悪天候だったり、通院困難な場合、オンライン診療もできますので、ひとりで悩まずご相談ください。

ヘルメット治療は本当にチーム戦です。結束力が矯正の一番の柱になります。みんなで頑張りましょう！